はりの計算式(19) - モールの定理 両端曲げ -

はりの計算式を連載で紹介しています。

 

モールの定理 両端曲げ です。


モールの定理
(3) ティモシェンコ梁のせん断角によるたわみ補正 は 両端曲げ では適用しないでください。いろいろやってみたのですが、うまくありません。また、両端曲げのたわみ角は せん断力からせん断角を求めてそれをたわみ角に加えると弾性曲線式を積分して解いた結果に一致します。

 

 

両端曲げの曲げモーメントの荷重は以下のように考えます。

 

チェック用プログラム

数式処理ソフト maximaruby による cmd.exe のシェルスクリプトです。

mohr-3.bat で保存して実行してください。


:モールの定理 ピン固定 両端曲げ
@echo off
path C:\maxima-5.47.0\bin;%path%
ruby -x %~f0 5 20 30 0.15 0.30 6.5
pause
goto:eof

#!ruby
l, pm1, pm2, t, h, e = ARGV.map { |x| x.to_f }

f = open "| maxima --very-quiet", "w"
f.print <<~Maxima
  MB: PM1 * (1 - 6 * __g__) / (2 * (3 * __g__ + 1))$
  q: (PM1 + MB) / L$
  m: -PM1 + (PM1 + MB) / L * x$
  Q: C1 + integrate(m, x)$
  M: C2 + integrate(Q, x)$
  [Q, M]: ev([Q, M], solve([ev(M, x = 0) = 0, ev(M, x = L) = 0], [C1, C2]))$
  Q: Q + q * κ * EI / GA$

  print("T =", string(factor(ratsimp(factor(ratsubst(__g__, κ * EI / GA / L^2, Q))))))$
  print("V =", string(factor(ratsimp(factor(ratsubst(__g__, κ * EI / GA / L^2, M))))))$

  [L, PM1, PM2, B, D, e]: [#{l}, #{pm1}, #{pm2}, #{t}, #{h}, #{e}]$
  EI: e * B * D^3 / 12 * 10^6$ /* kN*m*m */
  κ: 1.2$
  GA: e / 15 * B * D * 10^6$
  __g__: κ * EI / GA / L^2$
  plot2d([Q/EI*1000, M/EI*1000, m], [x, 0, L], [legend, "T x1000rad", "V kNm", "m"], 
    [box, false], grid2d, [title, "Lite & Seen Lite"])$
  ?sleep(10)$

  quit()$
Maxima
f.close

__END__

 

チェック用プログラムでは たわみ角にせん断角を加えています。弾性曲線式を積分して解いた結果に合わせています。

 

計算結果は

となります。変位図は ruby/tk で作成したもので チェック用プログラムには含まれていません。

 

弾性曲線式

 

はりの計算式の数式を以下のように求めてきました。

  (1) 弾性曲線式を積分して直接解く

  (2) 境界条件を与えて弾性曲線式を解く

  (3) モールの定理からたわみ角とたわみを求める

 

本稿で求めたはりの計算式は普通の梁でもティモシェンコ梁でも使えます。

 

今回で はりの計算式の連載は おわり です。ばね支持や強制変位は 扱いませんでしたがちょこちょこ必要になるので気にはなっています。