本稿は ティモシェンコ梁でも モールの定理が使えることを紹介します。
はりのたわみは 荷重ごとに公式があります。せん断変形の項を追加すれば ティモシェンコ梁に対応できます。
(7)式は 両端のたわみを0とすると x 点の位置のたわみは
δb = ∫ T(x) dx / EI
が 曲げ変形に
δs = ∫ G(x) dx / EI
が せん断変形に相当すると便宜的に考えます。
曲げ変形のたわみ δb は モールの定理が使えます。
せん断変形のたわみは
δs = ∫ G(x) dx / EI = ∫ Q(x) dx * λ * L^2
と
M(x) = C2 + ∫ Q(x) dx
ただし
C2 = M(x=0)
から
δs = (M(x) - M(x=0)) * λ * L^2
で 求められます。曲げモーメントがわかれば δs は決まります。
たわみは 曲げ変形とせん断変形の和として
δ = δb + δs
となります。
δb をモールの定理から計算し、曲げモーメント(M(x) - M(x=0))に λ * L^2 を乗じて δs を求めて足すと たわみが決まります。このとき 曲げモーメントにはせん断変形の影響が含まれていることに注意が必要です。
ティモシェンコ梁のたわみは 公式集を利用して この関係を利用すれば簡単に計算できます。ただし、荷重が対称で支持条件も対称な場合に限られます。
先入観と上昇志向の合わせ技の使い手をよく見かけます。ただただ、手を合わせます。
次回は 片持ち梁 です。